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儚さ
2015.08.16|つぶやき
宮下です。
今日でお盆も終わり。
明日からまた通常の毎日へ戻る方が多いかと思います。なんだか涼しい風を感じる今日は今感じることを書きたいと思います。。
まずはお盆中もSeltie、NewTimeともにお越し下さいました多くの皆様、誠にありがとうございました。
8月8日に新店舗であるNewTimeがオープンし、僕の今までの業務が単純に2倍以上になりました。
今までの「忙しい」という概念は、「なんとなく忙しいかもしれない」に変わり、本当に忙しいというのはずっと目が回っていて嘔吐しそうになることなんだと知りました。
1人でやるべきことには限界があるとは常々考えてきたもののそれを改めて思い知らされました。
非常に忙しく大変ながら、
Seltieというコレクションブランドを中心とした新品を扱うセレクトショップと、
新業態のNewTimeというお客様のお品物(私物)のみを扱うユーズドセレクトショップ。
相反する2つのショップで、服の可能性、新しい可能性を見つけようと日々頑張っております。
そこで感じるのはTimeという時間。
20歳の時と、25歳の時と、30歳の時とでは自分のおかれた環境も変われば、時代も大きく異なります。
大切な衣類は時間が経ってもその形を変えることなくずっとそばに寄り添ってはくれますが、それを着る人間(自分)がその時間の変化により、その衣類を着なくなってしまったらもう着てくれる人間はそこには存在しません。
NewTimeには様々な方が委託をしてくださいます。
一番多いのは「いくらになっても良いから大切に着てくださる方の元へいって沢山着てくれたら・・・」という理由。
どんなに気に入った商品だって、どんなに大切にしていた商品だって、もし今の自分よりも大切にしてくれる人がいるならばその人に着てもらいたい。
こういう考え方は本当に服を愛し続けてきた人だからこその考え方だと思っています。
そこにはお金が欲しいとかそういうことを越えたものがあります。
また、Seltieのような新作コレクションが並んだ店内と、NewTimeのような一度役目を全うした古着の並ぶ店内とでは空気がまったく異なります。
店の内装だとかそういう類ではなく、その服の持つ空気、生きている空気というものです。
ずっとその空気を感じてきた自分にとって、やはり古着には古着の空気があるんだなと感じる日々です。やっぱり服って生きもの(生もの)だなと。
服というのはとても儚いです。
一種の憧れや夢であり、どんなに想いが強くても、時が経つと忘れ去られてしまうようなものです。
そこに全てを捧げて懸命に戦うデザイナーがいて、それを懸命にお客様に伝える僕たちバイヤーがいて販売員がいる。
僕は、そんな服に携わる人や服を愛する人、そんな方々がより良くなることを目指しNewTimeをオープンさせました。
もちろんその主体はSeltieであり本質であります。
その儚いものに人生を捧げた僕の人生こそ儚いのですが、短い人生をその儚さに大いに捧げ、服というもので多くの方々の生活が少しでも豊かになればと思います。
はい、もうそれが全てです。
これからも懸命に励みます。
Seltie、NewTimeともにどうぞ宜しくお願い申し上げます。
(最近1歳半を越えた娘に映画のトイストーリーを見せているのですが、そのおもちゃと服が自分の中でものすごくリンクします・・・素晴らしい映画です)
Seltie 宮下 慎司