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2015年4月8日(水) 葛藤

2015.04.08|つぶやき

こんばんは、宮下です。

夜分遅くの投稿です。

今日も朝から東京出張で、合同展示会を含む5件を回って、只今松本に着きました。

2月のいつだかからか毎週東京に行って展示会で服を見て、発注をしての繰り返し。(毎シーズンのことですが)

体調がずっと優れなく、今日ももがきながらでしたのでなんだかとても苦しい日々を過ごしています。

普段はポジティブな面しかBlogには書きませんが、たまには今思っているネガティブなことを書きたいと思います。(服屋なのに)

服屋を始めて4年。今はスタッフ3名と僕とで店を回しています。1人でやってきたときよりも楽になった部分が多いのですが、最近葛藤を感じます。

僕は実際に服で人生が変わりました。

正確に言うと『BLESS』のベルトで変わりました。

僕の人生が(服というもので)変わっていく予兆はその頃にあったのですが(今の奥さんに出会ってから)、あの時に見た25,000円のベルトで変わりました。今でも鮮明に覚えています。

どういうふうにディスプレイされたいたかも覚えています。白のモハモハしたフェイクファーの上に乗っていました。

試着はしていません。試着は嫌いだったからです。店員さんとのおしゃべりも好きじゃないです。

「これ買います」って言いました。

今から9年前か10年前の話でしょうか。

僕は本当に服には無関心でしたので”服屋に着ていく服”もありませんでした。

服が載っている雑誌を立ち読みするのも恥ずかしくて出来ませんでした。

「お前服好きなの?」って他人から思われたくないからです。

その時に大いに助けてもらったのが通販です。

僕が通販にも力を入れている理由はここにあります。

もし通販がなかったら今の僕はいません。

セレクトショップに入る時は非常に緊張するのでお酒を飲んでから入りました。

学校が嫌いでした。

学校のような皆で同じ事をして同じように過ごす所(事)が大嫌いだからです。

「学生の時に戻りたい〜」とかよく聞きますが、僕にはそんな感情は一切ありません。1億円積まれても今をとります。

そんな人間が今Seltieを生業としています。

信じられません。というかあり得ません。

毎週毎週もがきながらの展示会回り。

苦しいときは「自分が頑張れば誰かの人生を変えられるかもしれない」

本気でそう思って、ひたすらに歩いて、ひたすらに服見て、発注に何時間もかけてやっています。

今日ももちろんそう思っていました。

誰かに褒められるわけでもなく、誰かに認めてもらいたいわけでもなく、ただその想いだけ。

自分の人生が服で変えられたんだから、僕がここでTシャツ1枚をバイイングして、それによって何かが変わる人がいるかもしれない。

きっといつかはそれが実るような、その努力はきっと報われるような、(それは認めてもらいたいということかもしれませんが)そう思ってやってきました。

4年やってきて、ようやくここ1年くらいでビジネス面をしっかりと考えるようになりました。

無謀なバイイングで借金は増えたし(笑)、僕のやることはどうもうまくいかない。

僕の爺ちゃんは両方とも自営業だったから、(ちなみに父も)そういうセンスはあるような気がしていましたがそうでもないかもしれない。

Seltieは全国を見ても”絶対にあり得ないブランドの並び”であること、独創性をもってやること、それはうちの『絶対』であってスタッフにもひたすらに言い続けています。

ただそれがビジネスに全然合わない。

Seltieは、我が儘(わ が まま)であって、わがままであるということからもまぁそうだよなって思っています。

そこでもがいている自分は泥沼の中でアタフタしているようで惨めでもあります。

僕はもう1人ではないので(スタッフも3人いるし、家族もいる、娘もいる)、もっともっと器用にやらなくてはいけないのだけれど器用には出来ない。

器用にやってはいけないと。

器用に人を服で幸せに出来るだろうか?

皆が平然としているテンプレートみたいにはなりたくない。

それをしても残るものって何もないはず。

だけれど、心の中ではヴィトンには勝てないし、マルジェラにも勝てないとも分かっている。(ブランドネームとしての)

だけれど勝たなくてはいけない。

先月、あるデザイナーさんと飲みました。半年に一度飲んでいます。

「Seltieは今いくつのブランドやっているんですか?宮下さんは本当にやりたいブランドだけに絞ったらいくつ残りますか?」

僕は「2年前くらいは80ありましたが今は55くらいです。本当にやりたいのだけだったら10くらいですかねー」と言いました。

それから、2、3日考え込みました。

『僕が本当にやりたいブランドってなんだろう』と。

そういえば深く考えた事無かったかもと。

「ブランドが多いことがビジネスに繋がっている」と僕も心の中にはありましたし、きっと10くらいのほうがいいのかなって思っていました。なんとなく。

でも自問自答をした結果、「本当は100ブランド、1000ブランドやりたいんであって、ビジネスに繋がらないから減らしている」という自分の行いに最近気が付きました。

やりたいことは100ブランド。だけれど出来ないから減らしてる。

やりたいことは服で人を変える事。幸せにする事。

でもそれって今求められているのだろうか?

そんな葛藤です。

社会の大きな渦に逆行しても勝てるわけが無い。

それが分かってしまうから、

それが結局は同じ方に流れる渦なだけにそれに逆らいたくなるという感じでしょうか。

今気が付いたのですが、こんなこと書く服屋って相当気持ち悪いですね。。。

最後に、

来年に勝負仕掛けます。

もちろん理由は、誰かが服で人生が変わるかもしれないからです。

PS、こんなことBlogで書くお父さんってどうなんだろ、、、

Seltie 宮下

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